視覚障碍者のためのパソコン勉強会

2025年も残すところ、あとわずかになりました。
1年を振り返る締めくくりの時期ですね。

今年も「弁当日記」と「ラン日記」を中心に、このブログを書いてきましたが、最後の最後でランニングができなくなってしまったことが残念でなりません。(^_^;)
今シーズンは、一人で走るだけではなく、マラソン大会にも出場してみようという目標があって淀川ハーフや大阪マラソンにエントリーしていたのですが、見事に挫折してしまいました(笑)。

その「股関節の疲労骨折」は、2025年でいちばん大きな出来事だったわけですが、それ以外にも大きな出来事がありました。
それが、視覚障害者のためのパソコン教室に通い始めたことです。

きっかけは、岸和田市社会福祉協議会からの一本の電話でした。

僕は視覚障害があり、障害者手帳を持っています。
その僕に対して、「家庭訪問をしたいので自宅に伺ってもよいか」という連絡でした。
初めてのことでよく分からなかったのですが、社会福祉法人の活動とのことでしたし、電話の声や内容に怪しさは感じなかったので了承しました。

数日後、二人の介護福祉士さんが自宅に来てくれました。
家庭訪問の目的は、障害を持った人が生活で困っていることがないかを聞いたり、行政が行っている福祉サービスの中で役立つものがあれば紹介する、ということでした。

そこで僕の目の病気のことや、普段の生活のことを聞かれるままに話しました。

「視覚障害があること」と「ランニングが趣味」という話をしたところ、視覚障害者向けの運動を紹介する機会があると教えてもらい、「伴走」の講習会があるので参加してみないかと提案してくれました。
それが、僕が初めて岸和田市の「福祉総合センター」を訪れるきっかけでした。

その講習会では、健常者のランナーが1メートルほどの輪にしたロープを使って視覚障害ランナーをガイドする「伴走」と、視覚障害者の卓球(サウンドテーブルテニス)の紹介と体験がありました。

僕自身は、現時点では伴走がなければ走れないレベルではありません。
ですが、進行性の病気なので、今後視力が完全に失われる可能性もあります。
そうなったとしても、このような形でランニングを続けることができるのだと実感できた、とても良い機会でした。

そして、それ以上に大きかったのは、人との出会いがあったことです。
それまで自分の障害について家族以外の人と話すことはほとんどありませんでした。仕事を辞めてからは、人と交流する機会自体がほぼなくなっていましたしね。
だからこそ、同じ視覚障害を持つ人や、障害に理解のある人たちと知り合えたことは、本当に良かったと思っています。

その講習会のときに誘ってもらったのが、視覚障害者のためのパソコン勉強会でした。
正確には、「ボランティアに興味はありませんか?」と聞かれ、「あります」と答え、「パソコンは使っていますか?」と聞かれて「使っています」と答えた結果、「じゃあ、一度見学してみませんか?」と誘ってもらった、という流れです。

骨折による入院で少し間が空きましたが、先日3回目の勉強会に参加してきました。

僕はこうしてブログを書いていますが、目で文字を読むことはできません。
どうやってパソコンを使っているかというと、デスクトップを2画面にし、片方を拡大鏡としてマウスポインター周辺を拡大表示しています。
マウスポインターは超特大に設定し、そのポインターが指している文字を「NVDA」というスクリーンリーダーが読み上げてくれるようにしています。
キーボード入力の際も、NVDAが入力内容を読み上げてくれます。

文字は読めませんが、「そこに文字がある」ということくらいはかろうじて分かる、そんなわずかな視力を頼りにした、完全に自己流の方法です。

ですから、さらに視力が低下すれば、この方法ではブログを書くこともできなくなってしまいます。
視覚障害者のパソコン教室で、全盲の人でもパソコンを扱える方法を学びたいと思ったのは、そういう理由もありました。

まだ通い始めたばかりですが、これから少しずつ学んでいけそうです。

それはもちろん嬉しいことなのですが、それ以上に、同じハンデを持つ人や、それを理解してくれる人たちと出会えたことが、何より大きかったと感じています。

障害があると、将来への不安はどうしても大きくなります。
年齢を重ね、身体の衰えを感じ始めると、誰でも老後を意識する瞬間が訪れます。そんな時に誰でもが漠然と不安感を持つかと思いますが。
そこに「目が見えない」「見えなくなるかもしれない」という不安が加わると、その不安は何倍にも膨らみます。

その不安を誰にも話せずにいたら、きっとさらに大きくなっていくのでしょう。
でも、話を聞いてくれる相手がいたり、理解してくれる人がいたり、良い刺激やアドバイスをもらえたりすれば、気持ちはきっと軽くなる。
僕はそう思っています。

そんな意味で、
2025年に同じハンデを持つ人たちと出会えたこと。
それは、将来の自分にとって、とても大きな出来事になるのではないかと感じています。


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