走ることについて語りつつ、小説家としてのありよう、創作の秘密、そして「彼自身」を初めて説き明かした画期的なメモワール。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
村上/春樹
1949年、京都生まれ、早稲田大学文学部演劇科卒業。79年『風の歌を聴け』で群像新人文学賞を受賞、82年『羊をめぐる冒険』で野間文芸新人賞、85年『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』で谷崎潤一郎賞、96年『ねじまき鳥クロニクル』で読売文学賞、99年『約束された場所で underground2』で桑原武夫学芸賞を受ける。2006年、フランツ・カフカ賞、フランク・オコナー国際短編賞、07年、朝日賞、坪内逍遥大賞、09年、エルサレム賞、『1Q84』で毎日出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) –このテキストは、paperback_bunko版に関連付けられています。
内容(「BOOK」データベースより)
1982年秋、専業作家としての生活を開始したとき、彼は心を決めて路上を走り始めた。それ以来25年にわたって世界各地で、フル・マラソンや、100キロ・マラソンや、トライアスロン・レースを休むことなく走り続けてきた。旅行バッグの中にはいつもランニング・シューズがあった。走ることは彼自身の生き方をどのように変え、彼の書く小説をどのように変えてきたのだろう?日々路上に流された汗は、何をもたらしてくれたのか?村上春樹が書き下ろす、走る小説家としての、そして小説を書くランナーとしての、必読のメモワール。 –このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
以上、Amazonの紹介文
走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫) Kindle版
村上春樹 (著)
感想
ノーベル文学賞の候補にもなる世界的な小説家である村上春樹さんがこんなに熱心なランナーだったとは知りませんでした。
マラソン大会に出場する人は他のスポーツより他人との競争を意識していない。一部のトップランナーはそうではなく順位もライバルとの勝負も大切だろうけれど、ほとんどの参加者は他人が相手ではなく、自分が決めた目標のクリアや過去の自分を超えることを目的としている。それが小説家としての仕事にも、人の人生にも共通している。
と書かれているけど。それはまだ具体的にマラソン大会の出場決めていない僕にも「そうだよなぁ」って共感できることです。ランニングって、前より速く走れるようになったとか、長く走れるようになったと。他人と比較しなくても日々自分の成長を実感できるんです。時間や距離を測定しておけばそれが非常にわかりやすいし、大会に出ていなくてもランニングアプリやGPS時計とか、わかりやすくするツールもいろいろ用意されていますし。
そもそもなぜ自分がランニングを趣味にしてみたいと思ったのか。
ダイエットを始めたきっかけはわかがえりたいとおもったからだし。走るという尺度で、衰えてしまった自分が若返っていることを実感できたことが嬉しかったからだし。これからももっともっと自分の成長を実感していけると思ったから。ということはあると思います。
また村上さんは、もしマラソンがつらく苦しいものでなかったら、こんなに多くの人がマラソンにチャレンジをしないだろう。とも書かれていたけど。過去に一度だけ、フルマラソンを走ってゴールした時の感動を思い出しました。
走ることを通して人生の後半をより充実した楽しい日々にしていきたいなと。
そんなことを考えたり、走ることのワクワク感が高まる本でした。