天正三年、羽柴秀吉と出会い、軍師・黒田官兵衛の運命は動き出す。秀吉の下で智謀を発揮して天下取りを支えるも、その才ゆえに不遇の境地にも置かれた官兵衛の生涯を描いた表題作ほか、二編を収めた短編集。
以上、Amazonの紹介文
軍師の境遇 新装版 (角川文庫) Kindle版
松本 清張 (著)
感想
読書中の太閤記で、黒田官兵衛が伊丹城に幽閉されるところが皿っとしか書かれていなかったのでこの本を選んでみました。
軍師っていうと合戦での作戦を進言する役目ではあるわけだけど。戦の勝敗は合戦の上手下手だけできまるわけではないし、ましてや天下統一なんてことであれば人心を集める人たらしとしての素養も必要なわけで。信長には自分に足りない部分がそこだとわかっていたから藤吉郎秀吉を徴用したのだと思うし、秀吉は竹中半兵衛や黒田官兵衛を従えるようになったのだろうと思うし。
竹中半兵衛や黒田官兵衛の話は人間味があって面白いです。またそういう部分の物語だから本によって異なる逸話も多くて面白いです。
荒木村重によって幽閉された場面も詳しく書かれていてよかったです。