3月30日土曜日のランの時でした。またしても足の故障、今度は左ヒザの内側にけっこう強めの痛みを感じるけがを負ってしまったんです。
その日のランは14kmを1時間半で走りましたが、走り終えた直後はいつもと同じだったんです。というかその1週間ほど前から左ひざには違和感を感じていました。水でも溜まっているのかなって。ヒザの屈伸がしにくいし、なんとなくヒザ全体が重たい感じがしていて、その漢字と同じだったという意味ですが。
その日も前日までと同じ違和感があったので帰宅してからアイスノンをタオルでまいてアイシングをしていたんです。強い痛みを感じるようになったのはその後からなんですが。
土曜日日曜日はかなり痛くて、寝返りをした時に痛くて目が覚めるほどでした。なので月曜日にさっそく整形外科で診てもらってきたんですけどね。医者というのはすごいものです。あれだけ痛かったのに、病院から帰宅して半日後にはだいぶ痛みが治まっているのですから。まぁそれは一時的な痛み止めの効果ではあるのでしょうけど。
レントゲンでは軟骨や半月板の損傷は見つからなかったですが。実際にヒザに炎症が起きていて水もたまっているし、痛み止めと湿布薬を処方されてヒザの腫れがひくまでは安静にするように指示されたわけですが。その時に先生に言われました。
「毎日そんなに走らないといけないの?なぜ走るの?60歳なのに」と。
実は昨夜ヒザを傷めたことを息子に話したら「なんで走るの?」と尋ねられたばかりだったんです。
走らない人にしたら、なぜケガするほど走るのか?と思うのでしょう。
故障をして病院に行ったランナーがお医者様に走ることを否定されることって多いようですね。そういえば、年末に腸脛靭帯炎で整体院に行った時にもそうでした。その先生もランニングをすることにネガティブな考えだったようです。
今日は先生の問いに「好きだから」「趣味です」と答えました。「ふ~ん」と、あきれたような先生の反応でしたが、もし僕が健康の為と答えたら、それで故障していたら元も子もないと言われたのかもしれないですね。
そういえば世界中で大ベストセラーになったランニングに関する書籍、「BORN TO RUN 走るために生まれた ―ウルトラランナーVS人類最強の“走る民族」という本も、冒頭で著者のクリストファー・ マクドゥーガルが、ランニングで炒めた足の治療で病院を訪れ医者に走ることを否定されるというシーンから物語がはじまっていくのですが。
たぶんランナーという生き物は走って故障をして。治療で訪れた医者や身の周りの人から「なんで走るの?」という質問を繰り返し繰り返しされることが宿命なのでしょう。そしてその質問をされるということは、自分の存在意義を問われるってことですよね。
登山家になぜ山に登るのか?尋ねるのと同じだと思うし、人間になぜ生きているのか?と問うのと同じだと思うんです。そしてもし、お前は何で生きているのだ?繰り返したずねられたら、きっと自分が活きている理由を見つけたい。明確にしたいと思うようになると思うのですが。
ランナーの場合はどちらかと言ったら、ケガまでして走るなんて馬鹿じゃないの?と否定されているのに近いのです。
また走り始めたきっかけは健康のためという人が多いでしょう。僕自身そうですが、そういう人は故障のリスクを高めてまでなぜ自分は走るのだろう。という自分に対する疑問が頭の隅っこにあるかもしれないですよね。だから、走るということを強く肯定してくれる答えを求めたくなるのだと思います。
それが「BORN TO RUN」という本が大ベストセラーになった背景にあることだと思うのですが。その本が示している答えは、走っているあなたが正しいのだと自分を肯定してくれる内容なのです。人類は走るために生きている。いや、生きるために走っている。ということなのです。
人間の身体は長距離を走るようにできていて、そのために唯一直立二本足歩行ができる生き物として進化してきたからこそ生物の中で最も反映した存在になれたのだ。ということを、生物の進化や科学的な説明から解き明かしていく本でもあるのです。
ようは、そもそも人間は長距離走をする生き物なのだといっているわけですね。
ですから、その本を読んで共感すると
ランナーになぜ走るの?という質問をすることは
鳥になぜ飛ぶのか?
魚になぜ及ぶのか?
馬になぜ走るのか?猫になぜかわいいのか?
と質問をするのとおなじだよね。って思えるようになるということなのです。
そう思ったけど。そうは言えず、昨日は整形外科の先生に
「好きだから」「趣味です」と答えたわけですけどね。
実際故障をしているのはおかしなことなのだし。
「BORN TO RUN」の中では、冒頭で故障の治療中だった著者が、走る民族タラウマラ族と接しているうちに足の痛みも消えていったことも書かれているんですけどね。
僕はまだしょっちゅううあちこち痛めているわけで。
鳥が飛ぶように、魚が泳ぐように、人類の本来の走りに近づいたなら、故障なんかしないようになっていくはずなんでしょうね。きっと
そうなることをイメージしながら。
左足を早く治してランニングを再開させたいと思っています。
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