今、あなたの体内から「腸内細菌」が家出している!
自然界との共生を忘れた人間たちに襲い掛かる自然からのシッペ返し。
腸内細菌、サンゴ、ミツバチ…3つの家出から、傲慢になった人類に起こっている逆転現象を読み解く。
・人類は健康を求めて努力しているのに、うつ病やアレルギーなどの病気が急増しているのはなぜか?
・“家出”を思いとどまってもらうため、私たちはどうしたらよいのか?etc.
健康と人生を、意外な視点から見つめなおす、キセイチュウ博士渾身の書き下ろし。
家出を防げれば、健康も人生も思いどおりにいく!
――腸内細菌は、もう一人の私だった! ――
私たちの体は37兆個の細胞でできているとされていますが、私たちの腸の中には体細胞の27倍近い数の細菌が棲みついています。
遺伝子数だけでなく細胞数からみても、腸内細菌は「もう一人の私」なのです。
そして、それらの細菌の多くはヒトの腸でしか棲むことができないため、私たちが病気にならないよう、長く生きられるようにいろいろ工夫しています。
→そんな腸内細菌が家出してしまったら…
以上、Amazonの紹介文
腸内細菌が家出する日 Kindle版
藤田 紘一郎 (著)
感想
健康を維持するために、腸内細菌の家出を防いで、自分の腸内環境をより良い状態にするためにはどうしたらいいか。という本だと思って選んだんですが。というのも、溶連菌感染症のせいで抗生物質を使わざるを得なくて、腸内細菌たちにダメージを与えてしまったばかりだったので。
もちろんそういう話も学べましたが。一般的な腸内環境の本と違って、まさに意外な視点から腸内細菌の大切さを解説してくれている本です。
出だしの部分のトキソプラズマの話も割と長くて「いったい何の本だ?」と思いながら読み進めましたけどね。第2章の「宿主をコントロールする寄生生物」では。アリをコントロールする槍型吸虫の話から始まって、宿主の医師や行動を完全にコントロールしてしまう寄生虫の話がいくつか紹介されていて。
槍型吸虫は宿主はヤギなのだそうです。ヤギの身体の中に入り込みたいんです。ヤギの体内で生まれた卵はフンに混じって大地に落ちるのですが、中間宿主であるアリの体内に入った槍型吸虫は、アリが八ヤギに食われるよう、アリが草のてっぺんに上るように行動を操作してしまう、とか。
一体そんな整体をどうやって調べるのか。と思いますが、そのような寄生虫が宿主の医師や行動を完全にコントロールしてしまうことは自然界では当たり前にある事なのだ。と言う説明をしている章なんですけどね。
なんかこう。あなたが今考えていることは、あなたの腸内の最近達に影響されているんだよと言うことを暗示しているようであまり気持ちよい話ではないですけどね。でも、腸内環境によって、メンタルが影響を受けるというのは今や常識と言っていいでしょう。
第3章からは、腸内にはもう一人の自分がいるんだということで。腸内細菌との「共生」が大事なのに、それがいま壊れかけ始めているんだ。と言う話の流れで進んでいきます。
それが具体的な形になっているのはアトピーや花粉症などのアレルギー疾患や、潰瘍性大腸炎とかクローン病などの原因不明の難病であるってことですね。
その共生を壊している要因は、抗生物質とか、殺虫剤や除菌剤などお使ってきれいにしすぎている生活環境だったり、昔は誰にでも当たり前にいた回虫を徹底的に排除したわけだけど排除する前には花粉症なんてなかったんだという話とか。うつ病や難しい病気もどんどん増えてしまっているという事例を紹介してくれています。
帰省中の排除や腸内細菌の減少が、人が幸せをどう感じるかにも影響するし。自殺率が高いことにも影響するとしているわけだけど。かといって、今更また回虫をお腹の中に買い始めるわけにはいかないわけですよね。
いままでの医療は病原体を撲滅したり、寄生虫の駆除など、病気の原因を取り除くことを中心にしてきたのだけれど。その行き過ぎが表面化していて共存を考えないといけないんだってことは理屈ではわかるけど。
じゃあ具体的にはどうしたらいいのか?
そこが大事なわけで
僕が理解できたことは。それが便利で値段が安くておいしいから・
というだけで加工食品に頼ったり、外食に頼りすぎず、昔ながらの健康に良いという食生活を学びながら、自分の腸内がよりよい腸内フローラになるよう、意識を継続していくしかないって思うんですね。
地球規模で見るとサンゴ礁がどんどん失われていること
ミツバチが突然いなくなっていること
様々な問題が表面化してきているわけだけど。
便利なこと
衛生的であること
それらももちろん大事であるけど
エスカレートさせすぎてはいけないのだ
というのがこの本のメッセージだと理解しました。