ガン、脳梗塞、肥満、腰痛、体力低下……あらゆる病気や体調不良の原因は「食べ過ぎ」と「冷え」にある!
本書では、これまで信じられてきた「医学常識」を覆し、自分の健康を自分で守る方法を解説します。たとえば、「朝食はしっかり食べるべき」ではなく、「軽めにするか食べないほうがいい」。「食べ物の好き嫌いはカラダによくない」ことはなく、「種類をたくさん食べ過ぎても栄養過多になるので偏食でいい」。「塩分の摂りすぎは早死にする」ことはなく、「塩分はカラダをあたためるために人間に必要不可欠なものなので、積極的に摂ったほうがいい」などなど。
クスリや病院に頼る前に、人間の自然治癒力を高める食事・生活習慣を身につけることの大切さを、食事療法を中心とした治療法で話題の医師の石原氏と、血液をサラサラにする東洋医学の素晴らしさを賞賛し、自身も「断食」を行う渡部氏が語り合った一冊
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
渡部/昇一
1930年、山形県生まれ。1955年、上智大学大学院修士課程修了。ドイツ、イギリスに留学後、母校で教鞭をとるかたわら、アメリカ各地でも講義。上智大学教授を経て、上智大学名誉教授。Dr.Phil.(1958)、Dr.Phil.h.c.(1994)。専門の英語学だけでなく、歴史、哲学、人生論など執筆ジャンルは幅広い
石原/結實
1948年、長崎市生まれ。長崎大学医学部卒業、同大学大学院医学研究科博士課程修了。スポーツ医学と栄養学の面から白血球の働きを研究する。現在、イシハラクリニック院長として漢方薬と食事療法指導によるユニークな治療法を実践するかたわら、日本テレビ系「おもいッきりテレビ」にレギュラー出演。全国各地で数多くの講演を行なう。医学博士。コーカサス・グルジア共和国科学アカデミー長寿医学会名誉会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) –このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
以上、Amazonの紹介文
病気にならない生活のすすめ 東洋の智恵は健康の智恵 (PHP文庫) Kindle版
渡部 昇一 (著), 石原 結實 (著)
感想
石原先生の著書に西洋医学と東洋医学の違いの話はたびたび登場します。西洋医学は症状に対しての対処が主で、例えば風邪をひいたとき発熱したら解熱剤で下げるし、食欲が落ちても食べやすい形で栄養を摂るように指導される。
でも人間の自然治癒力による治癒を目指す東洋医学ではそれらは反対の対処方法になり、発熱は身体が免疫力を高めるために挙げているのだから、上がりすぎない事だけ気を付けて体温はむしろ上げることをするし。食欲がなくなることも、それは身体が消化吸収をせず免疫を高めたり治癒のためにエネルギーを使おうとしている反応なのだからあえて食べることをさせない。
そういった西洋医学と東洋医学の考え方の違いは、病気の治療においても様々な違いになるんだなぁということが石原先生の著書では学べます。ちなみに西洋医学には自然治癒力と言う概念はないのだそうです。
本書では、その東洋医学と西洋医学について。なぜいま私たちが現代医学と言ったら西洋医学を指すようになっているのか。その経緯なども紹介されていて大変興味深かったです。
近年の西洋医学は外科的手法が格段に進歩した。それは欧米で戦争や争いが絶えなかったから。そしてそれまでの日本は鎖国をして平和だったので殿様の健康を守るのは漢方の医者たちで、蘭学の出る幕はなかったんだけど。戊辰戦争でけが人が沢山出たときに活躍したのが蘭学の医者つまり西洋医学で、維新政府は大学で教える医学を西洋医学に決めた。という歴史的経緯があったんですねぇ。
なるほどなぁって感じです。
いま西洋医学が当たり前の私たちにとって。自然治癒力を大切に考える東洋医学というのは、人によっては迷信とか、根拠のない民間医療とか、懐疑的な見方もあるかもしれないけど。
ガンや認知症やさまざまな生活習慣病など、特定の原因の分からない病が増える現代社会においては、東洋医学の重要性って非常に大きくなっていると思うんですよねぇ。
そして、断食やファスティングと言うのは、西洋医学は認めたがらない、私たちが最も簡単に取り組めて効果のある東洋医学なんだなぁってことがよくわかる本です。